ソーバーキュリアスライフ

陽気な酔っぱらいは誉め言葉ですか?

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爽やかな水しぶきと明るい太陽

薬物でありながら、身近にあって飲むことがごくごく当たり前に見なされている「お酒」。

お酒を飲んで周りに迷惑をかけると、「迷惑な酔っぱらい」として世間から眉をひそめられるようになりますが、飲んで陽気になると「楽しい人!」と言われ、方々からお呼びがかかることになります。

さて、この「陽気な酔っぱらい」というのは誉め言葉なのでしょうか?

アルコールは水、米、野菜、肉や魚のように、生きるために必須なものではないので、食品ではありません。
その人の好みで、飲んでも飲まなくてもよいから嗜好品と理解されることが多いですが、脳と体への影響を考えるとれっきとした「薬物」です。
「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本(垣渕洋一著)より引用

「あなたは楽しい人!」と言われて喜んでいた過去

ある飲み会でのことです。

「さ、さ、もっと飲んで!飲んで!酔って饒舌になったあなたって面白いんだもん♪」

こんな風に言われて、私は上機嫌で速いピッチでワインを飲み干していました。

そう、私は、かつては、人からこのように言われて「自分は周りを楽しませることのできる価値のある人間だ」と誇らしく思っていたのです。

今思うと、かなり痛い感じがしますが、当時は本当にそう思っていました。

酔っぱらってしまったら自分は楽しめない

しかし、上機嫌でワインを飲み干した翌朝は、決まって寝不足と顔のむくみ、そしてまだらになった記憶に苦しめられます。

「誰かに失礼なことを言っていないだろうか?」とか「とても恥ずかしいことを口走ったのではないか?」といった、考えたところでどうしようもないことに苦しめられるのです。

それに、「あなたは面白い人!」と言われて上機嫌になっているのは、ワインボトル半分ぐらいまでのことです。

酔いが回ってしまえば記憶もあいまいなので、自分が楽しかったのか、そうではなかったのか、実のところ思い出せないというのが事実です。

むしろ、朝起きて「なんか変なことしてない?」と不安になっている時間のほうが長かったのではないか、と今となってはわかります。

記憶がまだらになった翌日は、「昨夜は楽しかったね!」という友人知人からのメッセージを受け取ってやっと、「どうやら変なことは言ってないらしい」とホッと胸をなでおろしていました。

自分が酒飲みだった頃は気づきませんでしたが、お酒を飲んで酔っ払ってしまえば記憶がまだらになるので、そこでの会話もうろ覚えですし、何がどう楽しかったのかはハッキリしないのです。

そう、しらふかほろ酔い程度じゃないと、会話の楽しみなんて味わえないのですね。

家族だけは酔っぱらう私を心配していた

酔っぱらいを非難する家族「酔っているあなたって楽しい!」と賞賛(?)してくれる友人知人とはうらはらに、家族だけは、私が酔っぱらうと心配していました。

実家に住んでいた時は、フラフラになって帰ると妹に、「みっともない!」とたしなめられていました。

妹は飲める体質ですが、お酒そのものがあまり好きではなく、それ以前に飲み屋や酔っぱらいが大嫌い、という人です。

妹にたしなめられた私は、酔った頭でこう思ったものです。

「人が気分よく酔って帰ってきたのに、なんでそんな水を差すようなことを言うのだ!ホント空気の読めない嫌な女。」

両親も同様です。

父は下戸で、母は飲める体質ではあるものの機会飲酒者でした。

私は両親が酔っぱらっている姿など一度も見たことがありません。

なので両親は、「自分たちはお酒を飲まないのに、どうしてこんな子になっちゃったんだろう?」と心底心配していました。

特に父は、娘がフラフラで帰宅するのが心配だったのでしょう。

「遅くなったら駅から電話しなさい、迎えに行くから」といつも言っていました。

当時は父の気持ちはあまりわからなかったのですが、いま考えると、若い娘が千鳥足で夜遅い時間歩いているなんて、危なすぎます。

逆に、よくも危ない目に遭わなかったものだ、と今となっては怖いです。

人は酔っぱらいの何をみて楽しいと思うのか?

このように、「陽気な酔っぱらい」「楽しい酔っぱらい」と言われ、気分を良くしていた私ですが、人は酔っぱらいのどういう点を面白いと思うのでしょうか?

自分が酔っぱらいの時は考えたこともありませんでした。

お酒をやめてから、ある飲み会に参加した時のことです。

私は、ずっとジュースで過ごしていました。

一方で同席者のA子さんは日本酒が大好きで、その日もガンガン飲んでいました。

宴会開始後1時間ぐらいしたころだったと思います、A子さんの目がうつろになり、口が半開きになりました。

ろれつが若干回っておらず、言っていることもちょっと変です。

私もA子さんと一緒になって酔っぱらっていた時には、まったく知りませんでしたが、酔った時のA子さんってこんな感じだったんですね。

それを見た、幹事の女性が私の肩をポンポンと叩いて言うのです。

「ね、ね、見て!見て!A子さんいい感じで酔っぱらってきたね。ああいうの見るの面白いね。」と。

私はしばらく絶句してしまいました。

うつろな目、半開きの口・・・確かに「変顔」としてみれば面白い顔ですが、A子さんの可愛い顔が台無しです。

また、支離滅裂なことを言うA子さんは、周りの笑いを買っていましたが、私には「面白い」と思えるものではありませんでした。

独特の感性で知的な意見を言うA子さんはそこにはいません、そこにいるのはひとりの「壊れた女性」でした。

これはいったいどういうことなんだ?

しばし、私は考え込みました。

人は、酔っぱらいを見て「見下」して優位な気分になれるから、誰かを酔わせて笑うのではないだろうか?

見下しと嘲笑

マイルドに見下されていたのではないか?

そんな思いに駆られました。

かつての私も、ユーモアのセンスをリスペクトされて「あなたって面白い」と言われていたわけではなかったんだ、ひたすら間抜けでみっともないやつと見下されて笑われていただけなんだ。

「お姉ちゃん、みっともない!」と言っていた妹が正しかったんだ。

そう気づいたら、サーっと血の気が引きました。

Motoko
二度と勧められても、酒なんか飲むもんか。

そう思いました。

まとめ・無責任な他人の言うことは無視すべし

自分を信じる

自分を信じて、自分の意志で

長い間、飲みすぎてしまう自分が嫌で、何度も断酒をしようとしました。

そしてその都度、友人知人たちに「えーー!つまんないじゃん!」と言われて、やっぱりそうだよね、と断酒をあきらめていました。

しかし、他人は無責任に酔っぱらいを楽しむだけ楽しんで、責任など取ってくれません。

少し良心的な人になると、「夜道危ないだろうから」と一緒にタクシーで自宅まで同行してくれたりしますが、ほとんどの人が、千鳥足の酔っぱらいに「おやすみ!」と手を振って帰路につくのです。

つまり多くの人が、酔っぱらいを一人残して去っていくのです。

私の場合は、家族だけがこうした私の行動様式に警鐘を鳴らしていました。

お酒は薬物であり、飲みすぎれば酩酊し、身体を危険にさらすのですから、飲む飲まないは自分で決め、人の意見を聞く必要などありません。

Motoko
そして、正気な状態でユーモアのセンスや知性を評価してもらえるような人間を目指したほうが素敵です。

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