ソーバーキュリアスというキーワードで検索して各Webサイトを閲覧していると、おしゃれなノンアルコールドリンクのきれいな写真が並べられているものが多いことに気が付きます。
もちろん、パーティや外食の際に、そうした飲み物を選択すること自体は悪くありません。
しかし、「ソーバーキュリアス=ノンアルコールドリンクを飲むこと」では絶対にないですよね。
もっと言うと、こうしたノンアルコールドリンクは、必要に迫られたときに選択するものであり、日常的に積極的に選んで飲むようなものではない、というのが私個人の見解です。
つまり、ソーバーキュリアスならお酒を連想させるものからもっと離れて生きてもいいのではないか、というのが私の提言です。
また、こうした、「ソーバーキュリアス、すなわちノンアルコールを飲む」という発想は、人付き合いには飲み会に行ったりパーティに出席することは欠かせないものだ、という前提があるような気がしてなりません。
本当にそうでしょうか?
人と親交を深めるのに、必ず飲み会やパーティに行かなければいけないのでしょうか?
ソーバーキュリアスとは
あえてお酒を飲まないことを積極的に選択する人たちのこと、および、そうしたライフスタイルのことを「ソーバーキュリアス」と言います。
Contents
本当に飲み会やパーティに行く必要があるのか?真剣に考える
お酒を飲まない人生を選び取ったのであれば、夜の会食は、自分にとって本当に必要なことなのかを事前にきちんと精査する必要があります。
チェックポイント
- 本当にその夜の会食に行かないと会いたい人と会えないのか?
- その夜の会食に参加すると、自分にはどんなベネフィットがあるのか?
こうしたことを事前にしっかり確認しておくといいでしょう。
そして、「目的にかなえば参加する、目的に合わなければ参加しない」ぐらい慎重になるべきです。
繰り返しますが、ソーバーキュリアスとはノンアルコールのカクテルを飲むことではありません。
そもそもお酒がふるまわれるような場所には頻繁に出入りしないことなのです。
モクテルやノンアルコールドリンクの危険性
もともと問題飲酒のなかった人が、モクテルやノンアルコールビールを楽しむ分には、何の問題もありません。
モクテルとは
モクテルとは、まねるという意味の「mock(モック)」と、「cocktail(カクテル)」から作られた造語で、ノンアルコールカクテルを意味しています。
また、健康のために禁酒したいけれどいきなりは無理そう、という人が、お酒を飲んでいる「気分」だけ味わえるモクテルを使うのも良いでしょう。
しかし、過去に問題飲酒があったため断酒している人にとっては、非常に危険です。
一定期間禁酒に成功していた人が、このようなノンアルコールドリンクを飲んだところ、かつての飲酒欲求が呼び覚まされてしまい、また元の飲酒者に戻ってしまった、という例は、結構あるようです。
依存症まで進行した人が禁酒の開始時期にノンアルコール飲料を利用することはおすすめしません。
味やニオイ、舌触りなどが“本物”とよく似ているので、飲酒欲求を誘発してしまうからです。実際、その一杯を口にしたばかりに、半年以上続いていた禁酒生活が断たれてしまったという例もあります。
飲み会に参加さえしなければお酒の代替品は不要
ソーバーキュリアスにとって、本来、お酒の代替品は不要です。
モクテルなどのノンアルコールドリンクは、宴会やパーティの席でさりげなくしらふでい続けるためには、とても役に立つものだと思います。
しかし、そもそも、人が飲酒をするような場所に出入りしなければ、気をつかってお酒にそっくりなノンアルコールドリンクを選んで飲む必要はないのです。
夜の飲食を伴う社交は最小限にできる
人間が社会とのかかわりを持って生きる中、人間同士の付き合いは重要です。
しかし、「付き合い」をするのに、必ずしも夜に人と会うことや、飲食を伴う付き合いをすることは必要ではありません。
お仕事編
昭和や平成の時代なら、ビジネスパーソンは酒が飲めないと肩身の狭い思いをしたり、それだけではなくそもそも飲み会の席で顔つなぎをしておかないと仕事にならない、ということもあったでしょう。
しかし、みなさん、うすうすお気づきの通り、時代はどんどん変わってきています。
もちろん良い方向に、です。
ポイント
- 無理な誘いはハラスメントです
- 仕事仲間とはシンプルに仕事でつながりませんか?
飲み会に無理に誘ったらパワハラです!
会社員ならば、社内の親睦会等が頻繁に開かれる部署に所属したことがある人も多いと思います。
そしてそこに不参加表明をすると「なんで?」としつこく聞かれる、といったこともよくある光景だったと思います。
最悪な場合には「え?飲み会来ないの?なんて身勝手なやつ!」と暴言を吐かれてしまったり・・・
しかし、それももう過去のこと。
令和になり徐々に世の中は変わり、そうした飲み会参加の強要もパワハラとして認識されるようになってきていますし、昔々に比べたらはるかに不参加表明がしやすくなってきています。
また、こうした「酒席でのコミュニケーションがないと成り立たないような働き方」は働き方改革の中で改革されてしかるべきでしょう。
マネージメントをするような立場の人は、メンバーの親睦を深めたりコミュニケーションをするのに、「お酒」というツールを使わないとできないようでは、今後はマネージャー失格です。
改めて考えると、「お酒」なんていうツールを仕事に使っていた文化が長く続いていたこと自体が驚きですよね。
仕事仲間との親交はシンプルに仕事で深める
私もかつては、同僚(多くは男性社員)が毎週のように上司や社内のキーパーソンと飲み歩くのを見て、「私もあれに参加しないと必要な情報が入ってこなくなるのかな?」と心配になったこともありました。
そして、実際に、仲間うちでしかシェアされていない重要な情報もあったと思います。
それでもこれからの世の中では、若い世代の人の酒席離れや、飲み会強要はパワハラといった風潮が弱まることは無いはずなので、「飲みニケーション」は絶対死語になります。
仕事関係者とは仕事を通して信頼関係を深め、仕事の場で交流していく、それがシンプルです。
プライベート編
友達や同志と親睦を深めるために、テーブルを共にしたい、という気持ちはよくわかります。
まず一番いいのは陽が落ちるまえにランチなどをしながらコミュニケーションすることでしょう。
・・・とはいえ、会社員なら平日は夕方以降しか自由時間がありませんし、家庭のことで土日の日中もなかなか空けられない、というケースも多いとは思います。以下にいくつか代替案を考えてみました。
代替案
- カフェで話す
- オンラインで話す
- 歩きながら話す
カフェで話そう!
平日夜しか選択がないなら夜も営業しているカフェを利用するのがいいです。
大食漢でなければカフェの軽食を夕飯にすればよいですし、カフェは本当に使い勝手がいいです。
ただし22:00過ぎると酔っ払いが酔い覚ましに来るかもしれませんので、そこだけは注意が必要ですね。
オンラインで話す
本当に「話」がしたいだけならオンラインで話す機会を積極的に増やすというのはいかがでしょうか?
通信機器の性能が良ければ、それこそ騒がしい飲食店で話すよりよっぽど話に集中できます。
歩きながら話す
二人だけで話すなら、そして雨や雪が降っていないなら、お散歩しながらお話しするのも悪くありません。
私は友人と築地近辺から新宿までお散歩しながら話しこんだことがあります。
季節は冬でした。
約8kmですが、しゃべりながらなので3時間近くかかったと記憶しています。
運動不足解消にもなりますし、身体を動かしていると比較的ポジティブな発想が多くなり、会話も前向きなものになりやすいので、いいことずくめです。
まとめ・思い込みをはずしてみよう!
もしかすると、中には、人付き合いは飲み会やパーティを通じて行われるものだ、と強固に信じている人がいるかもしれません。
特に、平成時代にサラリーマンをしていた人は、この文化にどっぷりはまっている世代ですよね。
夜の社交の場に顔を出さないと、付き合いの悪い人として適切な仲間に入れてもらえない、不利な立場に立たされる・・・等々、私もたくさんそういう話は聞きました。
でも、もう時代は令和。
人とのコミュニケーションのあり方も変わってきています。
ソーバーキュリアスなら、ソーバーキュリアスらしい人との付き合い方を模索していくべきです。