ソーバーキュリアスライフ

イギリス発・アル中のドキュメンタリー動画を観ました

2022-05-01

documentary

イギリスのジャーナリスト、ルイ・セローによる、「ルイ・セローが見た 慢性アルコール中毒者たち」というドキュメンタリー動画を観ました。

BBCによる2016年の作品です。

慢性アルコール中毒者をドキュメンタリー動画に撮るということ

このドキュメンタリー動画のタイトルを見て「視聴したい!」と思ったのですが、次の瞬間に、慢性アルコール中毒という、個人のプライベートな情報を、ドキュメンタリー動画に収めるということが、そもそも可能なのか?という疑問がありました。

ちなみに、この動画の製作者はBBC(英国放送協会)、つまり日本でいうところのNHKのような機関です。

また、慢性アルコール中毒者や、病院関係者にインタビュをしているのも、名のあるジャーナリストです。

編集による情報の偏りや、アルコール中毒というプライベートな情報をフィルムに収めることの限界はあるかもしれないが、それなりに信頼のある機関やジャーナリストが作った動画なら、一度見てみる価値はあるかもしれない、と判断して視聴しました。

冒頭から現実を見せられる

このドキュメンタリー動画は、58分という非常に短い動画です。

このように短い動画なので、おそらくは、英国における慢性アルコール中毒の実態をできるだけわかりやすくするように、象徴的なエピソードを、短い時間にギュっと詰めたのだと思われます。

そのせいか、最初から、かなり深刻なシーンを見せられます。

入院病棟

最初のシーンは、場所は病院のようです。

あとから、そこはロンドンのキングス・カレッジ病院だという説明が入ります。

病室の片隅には、ジャーナリストのルイ・セロー氏が映し出されていますが、メインで映し出されたのは若い男性です。

それも、30歳前後のグッドルッキングガイです。

どうやら、このイケメン、入院患者のようなのですが、病室の隅にたたずむルイ・セローと押し問答をしているところから始まるのです。

この男性、まだ体内にアルコールが残っているのでしょうか?わずかに蒸気した頬とうつろな目をしています。

病院を抜け出してウォッカを買いに行きたいという男性と、「なんでだ?」「でかけるな」と言うルイ・セロー。

そのほかにも、病院内で泣き崩れる患者と思われる人の姿、家族の姿も映し出されます。

メモ

このページに、このドキュメンタリーに登場してくる医師やスタッフの紹介があります。
英語ですが、ご参考までにどうぞ。
https://www.kch.nhs.uk/news/media/kings-on-tv/louis-theroux-drinking-to-oblivion/meet-the-team

この動画の最初の印象

淡々と病院の中を映し出しているにすぎないのですが、最初の10~15分で、ウッと涙腺をやられそうになりました。

それもそうでしょう、順風満帆で人生に満足している人なら、アルコール中毒になるわけがないのです。

アルコール中毒になるという背景には、ものすごい大きな闇、抱えきれないほどの悲しみがあるのだと思います。

深い悲しみ

そういう空気を感じるので、この動画を見始めて最初の10分ぐらいは、涙腺を刺激されて泣きそうになるのです。

同時に、アルコール依存については、日本においても、多くの人が正しい知識を持つべきだ、と強く思いました。

未だに「お酒を飲みすぎるのはその人の意志が弱くて、だらしがないからだ」という偏見もありますが、本来は、専門家の助けが必要な「病気」です。

病気なのに人格を否定されてしまったら、治るものも治りません。

魅力的な人々

ルイ・セローが病院内でインタビュをしたり、時には自宅まで取材に行ったアルコール中毒者、あるいは元アルコール中毒者は、数名登場します。

彼らの中には、フィルム越しにも、「いい人そうだな」とか「魅力的だな」と思える人がいました。

アルコールに依存してしまう背景は、人それぞれ異なりますが、アルコール依存になるような人は100%傷ついているはずです。

いったいこんな素敵な人を、何が傷つけたのだろう?と思わざるを得ませんでした。

断酒に成功しても、確率論からいうと、元どおりの飲酒者に戻ってしまう可能性はあります。

それは、キングス・カレッジ病院のスタッフも明言していました。

しかし、心から永遠の断酒成功を祈らずにはいられません。

彼らと彼らの家族やパートナのためにも、永遠に断酒成功でいられるといいですね。

断酒を決意しない人

この短い動画の中では、医師や専門家の指示に従って、あるいは自らの意思で断酒を決意する人もいますが、その一方で、何があろうとも「やめる気は全くない」というアルコール中毒者も登場します。

ある女性患者は、血液検査の結果、とんでもない結果が出ました。

医師は淡々と優しい口調で「このままだと死にますよ」と諭すのですが、彼女は「Miracle(奇跡)」だけが自分を救える、と言います。

自分のことなのに、ひとごとのように突き放して話す姿が印象的です。

しかし、このシーンを見て、ある矛盾を感じました。

本当の意味で自暴自棄になっているのならば、病院には通わないはずです。

彼女は毎日、一定量のお酒を飲み続けながら、定期的に病院にも通っているということは、心のどこかでお酒をやめる必要があるとわかっている証拠なのではないかと思いました。

「自分はアルコールに依存なんかしていない」と思う人に見てもらいたい

このドキュメンタリー動画を誰にお勧めしたいか?というと、ズバリ「自分はアルコールに依存なんかしていない」と思っている人です。

そういう人は確かに、酔って暴力沙汰を起こすこともなければ、飲みすぎて病院に担ぎ込まれたり、お財布や大事なものをなくすこともなかったかもしれません。

ただ、1回でも自分を無くすほど飲んだ経験がある人なら、このようになる可能性が十分あると思います。

そういうブラックアウトの経験を経て、「お酒やめたほうがいいのかな?」とちょっとでも脳裏をかすめるのであれば、自分がちゃんと「アルコール中毒者になる可能性がある」とわかっていて自分にアラートを鳴らせているのです。

そういう人にこそ、このドキュメンタリー動画を見てもらいたいです。

また、次に見てもらいたいのは、いわゆる「普通の人」です。

普通の人が、アルコール中毒に関する正しい知識を付ければ、もしかしたら身近にいる「飲酒に問題を抱えた誰か」に適切な対応をすることができるかもしれない、と思うからです。

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