お酒は適量を守ってほどほどに・・・
誰でも知っている「常識」です。
酒造メーカーもお酒の飲みすぎが身体を壊すことについての警告はしていますし、ほどほどに適量を飲むことを推奨しています。
しかし、「適量ってどれくらい?」と疑問に思ったり、「適量で止められないから困っているんじゃん」と思う人も、少なからずいるのではないでしょうか?
そして、もし適量で止めることができないなら、ソーバーキュリアスになってしまうと、シンプルで話が早いのです。
ソーバーキュリアスとは
あえてお酒を飲まないことを積極的に選択する人たちのこと、および、そうしたライフスタイルのことを「ソーバーキュリアス」と言います。
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世の中にはほどほどに飲める人とそうではない人がいる
結論から先に言ってしまいますが、お酒に関しては、世の中には2種類の人がいます。
それは、「適量で飲むのをやめる人」と「飲みだしたら酩酊するまで飲むことがしばしばある人」の2種類です。
ココがポイント
世の中には、ザックリ分けると2タイプの人がいる
- 適量で飲むのをやめる人
- 飲みだしたら酩酊するまで飲むことがしばしばある人
適量で飲むのをやめる人の中には、そもそもアルコールに弱いため1,2杯程度飲んだら気持ち悪くなったり、動悸がしたりして、それ以上飲めなくなってしまう人もいます。
そういうお酒に弱い人とは別に、お酒を美味しいと思い、飲むことを楽しんでいるにもかかわらず、1,2杯で満足してグラスを置くことができる人がいます。
後者のようなスマートな飲み方ができれば理想的ですよね。
そして、多くの「お酒にまつわる失敗経験」を持った人は、後者のようなスマートな酒飲みになろうと努力をするのです。
しかし、それはほとんど成功することはありません。
もともと問題飲酒があったのに、訓練したり意識することで、「ほどほどにお酒をたしなむスマートな酒飲みに変身できた人」というのはいるのでしょうか?
調査をしたわけではありませんが、私は「ゼロ」ではないかと推測しています。
普通の人は酩酊するまで飲んでしまう人の事情を理解できない
お酒の失敗をするたびに、その時は意を新たにして「もう、酒をやめるわ」という宣言を何度もしたことのある人、結構いるのではないでしょうか?
かくいう私も、朝起きて前夜の記憶がまだらになっている、ということに気づき、その時は「もう金輪際酒は飲まない!」と決めて、家族や友人に誓いを立てたものです。
ところが、こうした誓いを打ち明ける家族や友人のほとんどが「普通の人」です。つまり問題飲酒の特殊性が理解できない人たちなのです。「1杯だけね」と思って飲み始めたのに、気が付くとワインボトル1本空けてしまうような酒飲みの事情が理解できない人たちなのです。
だから、口を揃えて言うのです。
「お酒をやめる必要なんてない、適量を守ってほどほどに飲めばいいんだよ」
と。
飲みすぎた翌朝には「もう一生飲まない!」と強く、強く誓ったにもかかわらず、いつの間にか「適量を飲めばいいんだ」という考えにすり替わっているのはなぜなのでしょう?
それは、自分で考えて自分で決めた誓いである「もう一生飲まない」を、家族や友人に話し、彼らから「お酒をやめることはないじゃないか」と意見されるからです。
一度は「一生飲まない」と意思を固めたにもかかわらず、身近な人から「そこまでやらなくてもいいじゃないか」と反対されるので、時間がたつにつれ強烈な後悔の念も薄れ、いつのまにか「そうだよね、適量を飲めばいいんだよ」という気持ちにすり替わってしまうのです。
私はすでに二十歳の時に、飲んで、どうやって帰ってきたのかわからないという経験をしていました。
そして、二十歳を少し過ぎたときから、常に「お酒をやめたい」ということを何度も何度も感じていました。
しかし、実際に完全に一滴のアルコールも口にしなくなったのは40代半ばを過ぎてからです。
約25年もの間、常に「お酒やめたい」→「ほどほどに飲めばいいんだ」→「スマートな酒飲みを目指すぞ!」→「酩酊」というループを何百回も繰り返していたことになります。
我ながら、ちょっと哀れに思います。
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医師も解決策は断酒以外はないと断言している
お酒は薬物ですから、一度中毒してしまった人は、「お酒を適量に飲む」ということができないので、断酒するしかない、と医師は言います。
回復していくためには「断酒」を続けていくしかありません。断酒とは、お酒を断つということで、1滴もアルコールを口にしないということを意味します。
https://www.komagino.jp/sickness/alcoholism/
駒木野病院
それでも、お酒をあきらめきれなかった私は、問題飲酒を繰り返す人の治療にはなぜ「断酒」しかないのか調べましたし、なんとかして適量のお酒を楽しめる習慣を身につけられないものか?!と、いろいろ調べてみたのですが、医学の専門知識のない私には無理でした。
ただ以下のことは事実として確かなことです。まぎれもない事実です。
- 専門医は口をそろえて、断酒しか方法はない、と言っていること
- 問題飲酒の後、私は何度も適量飲酒を試みているにもかかわらず、ほとんどの場合それは失敗していた、ということ
断酒をすると自己肯定感爆上がりのカラクリ
断酒をしてから、自己肯定感が上がった、という人の話は枚挙にいとまがありません。
「普通の人」が「お酒は適量を守ってほどほどに飲める」のに対し、アルコールに依存している傾向のある人は、適量を守って飲もうとしているのにもかかわらず、それができず、そうした敗北感が自己嫌悪につながります。
何度も適量飲酒に失敗していると、適量が飲めている「普通の人」からは、「ハァ?なに飲みすぎているの?馬鹿じゃないの?」と思われているに違いない、と被害妄想がわいてきたり、「お酒すらコントロールできないダメな自分」というイメージが強固になってきてしまいます。
お酒を完全に断てば、こうした失敗は経験しないで済みます。
つまり、自己肯定感を下げる機会が減るのです。
さらに、依存していたアルコールから自分の意志で離れることができた、という事実が、今度は自己肯定感を上げます。
こうして、どんどん良いサイクルが出来上がるわけですね。
まとめ・ほどほどに飲めないなら一生断酒しちゃおう!
みなさんには、私のように25年間も負のループで戦ってほしくありません。
また、お酒は健康のためには1滴も飲まないほうがいいという学術論文もでているぐらいですから、お酒とうまく付き合う方法なんて考える必要すらないんです。
さらに詳しく
世界的に権威のある医学雑誌ランセット誌に掲載された論文(英文)
お酒は健康のためには1滴も飲まないほうがいいという結論です。
https://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(18)31310-2.pdf
さらっとお酒をやめて、すがすがしい人生を送るほうが、断然お得ですね。
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一滴も飲まないのが快適かつ最適解
私が確信しているのが、アルコールは一滴も飲まないのが最良だということです。 かつて、そのようなことを耳にしたときには「なんてストイックな!」「そこまでやらなくてもいいじゃないか!」と思ったものです。 ...
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